前回では、政府や企業が社員の「副業」を積極的に推し進めている背景についてお話してきました。そこに拍車をかけたのが新型コロナウィルス感染です。コロナ禍において在宅勤務が多くなったり、時短勤務が続いたりして、副業を始められた人も少なくないでしょう。では、どんな副業があるのでしょうか?
「本業」ならなら沢山知っていると思いますが、「副業」についてどのくらい知っていますか?コロナ禍で時短勤務になったからといっても、本業をしながらできる副業は限られることでしょう。
インターネットやパソコンのスキルが非常に高く、且つクリエイティブなセンスを兼ね備えているのであれば、空き時間を利用して稼ぐことは可能だと思います。しかし、そのような人は稀です。
副業についての書籍や雑誌、ブログをチェックしてみると、必ず出てくるのは「せどり」です。古本や家電などを転売して稼ぐ手法です。一時期、リサイクルショップの出店が目立った頃、家にある不用品を幾らかの現金にする人が増加しましたが、稼ぐとは言い難い金額にしかならなかった記憶があります。それもそのはず、リサイクルショップ側の運営には様々な経費もかかる上、買い取った商品が必ず売れるという保証もなく、それでも利益を出していかなければならないから仕方がないのです。
その他には、文章力がある人ならば「ライティング」や趣味の写真や映像処理などを生かした副業もありますが、当然その種に関するセンスが求められることが多く、誰でも稼げるまでにはなりません。そう考えるとこれらは、極めて労働効率が悪いと思いませんか?
「誰でも年収1千万かせげます」とか「1日10分の簡単作業をするだけ」とか「これからは輸入ビジネスが主流に・・・」といったような煽り文句のキャッチコピーに騙され、稼げるアフィリエイターの「お客様」側になるだけなのですから。
後で副業の紹介をしていきますが、あなたにはまず『現実』を見つめ直してほしいのです。アフィリエイトや輸入ビジネスで儲けている人も確かにいます。最近では YouTuber(ユーチューバー)として活動し広告収入を狙っている人もいます。しかしあなたが目にしたり耳にしたりしているこれらは、起業と同等の覚悟がないと不可能に近いです。知人にハンドメイドが好きで、主婦業の傍らメルカリに出品して月に数万円のお小遣いを稼いでいる人がいます。驚くことに、その人を観察すると、単にメルカリに出品しているだけではなかったのです。その人は、毎月コンスタントに稼ぐ為にマーケティング調査をしてセンスを磨いたり、リピーター(購入者)を増やすためにコミュニケーション術を勉強したりしていたのです。
副業に取り組み「儲かる」「儲からない」を語る以前に、このような副業を軌道に乗せる為には『最低限必要な努力』を投入できるかどうか、ということを考えるべきなのです。
例えば、ブログを書いてアフィリエイトや広告収入を狙い、月10万円稼ぐのにはどのくらいの「コスト」が必要だと思いますか? 考えられるコストは、経済的コスト・時間的コスト・精神的コスト。これら3つのコストを、相当量投入することではじめて成し遂げられるものだという事を知っておいてください。つまり、そのくらいしなければ、成果を出すまでの道のりは険しく、困難極まりないのだということです。
これまでに行動を起こした経験がある人は、十分理解していることと思います。しかしこれから副業を始めようとしている人には、「お勧めの副業」を紹介しておきます。
副業にはアフィリエイトやWEBライターのような『ローコスト・ローリスク』の分野と、投資やFXのような『ハイリスク・ハイリターン』の分野があります。ここでは当然ながら前者の紹介をしていきます。
ブログを開設し記事を書き、人を集めます。そこに広告を貼って収益に結びつけていくのが「広告系ブログ」です。広告に表示した商品を購入してもらうと収益が発生する『アフィリエイト』、広告をクリックしてもらうと収益が発生する『アドセンス』に分けられます。
パソコン1台あれば、誰でもスタートすることができます。特別なスキルがなくても始められるのでオススメです。ただし、まとまった収益を得るためには、ブロブに多くの人を集めなければなりません。
リサイクルショップなどで掘り出し物を見つけたり、海外で格安にて購入したりして、アマゾンやヤフオク、メルカリなどに出品して転売することで利益を得ることができます。転売すると利益が出る商品、高値で売れやすい季節などを見極めることで、月収数十万円を稼ぐことも可能です。
商品のバーコードをスキャンすると、ネット市場での販売価格の相場が調べられる無料アプリもありますので、初心者にも始めやすいと思います。しかし、商品の仕入れや梱包・配送などの時間が必要になることを忘れないでおきましょう。
クライアントから依頼を受け、記事を執筆することで収入が得られます。ネットで仕事を仲介する「クラウドソーシング」の発展により、誰でも簡単に始められる環境が整っています。記事の執筆を数多くこなすことで「ライティングスキル」が養われると考えられます。
注意したいことは、医療系の記事などで誤った情報を発信してしまうと刑事事件に発展してしまうような危険な案件もあることを知っておいてください。
写真、イラスト、ハンドメイド作品などを販売することで収入を得られます。作品を作るスキルがあれば、ネット流通を利用して販売することができます。もし人気となって「ブランド化」すれば、収入は格段にアップすることでしょう。
ただし、同業他社が多いため宣伝戦略を練ることも重要になります。
翻訳の仕事も外注されることが多くなってます。クラウドソーシングでも多くの案件が募集されていますので、チームで翻訳業をやっていたりもします。専門知識が必要な翻訳もありますので、言語スキルが秀でている人は、挑戦する価値はあると思います。ただし、ある程度以上のスキルがないと単価は安くなります。
そもそも「副業」「兼業」「投資」「節約」「ポイント集め」などを混同していませんか? これらを区別できない人は、まずは頭を整理することをお勧めします。頭が整理できない人は、決して独自の力でお金を稼ぐことは難しいです。
「お金を稼ぐ」ということは大変なことなのです。つまり、期待した通りに稼げる人は、ほんの一握りです。だからこそ「本業」をおろそかにして「副業」を意識するあまり、騙される人が急増するのです。
煽りのキャッチコピーに騙されないためにも、情報収集とスキルアップには全集中で力を注がなければなりません。自分が成し遂げられる目標を定め、この「大副業時代」に下剋上の一歩を踏み込んでみてはいかがでしょう。誰にでも成り上がるチャンスは与えられています。