WELQ問題の全貌【DeNAキュレーションサイト炎上】問題点早わかり!
DeNAが運営するまとめサイトで、
不正確な情報記事や著作権を無視した転用が発覚。
医療系サイト『WELQ』の問題発覚は、
世界中を驚愕させる事態を引き起こし、
ネットで炎上してしまったその全貌を解説しましょう。
DeNA問題で謝罪会見
2016年12月7日、DeNAが記者会見を開きました。
DeNAが運営していた10のまとめサイトで、
信頼性に欠ける医療記事や、
記事盗用などがあったことについて謝罪しました。
DeNA代表取締役社長兼CEOの「守安功」氏は、
記事内容に問題があったことを認めて謝罪しました。
問題発覚のキッカケ
問題となったのは、医療系サイト『WELQ』の内容でした。
「死にたい」というキーワードでGoogle検索すると、
『WELQ』の広告掲載記事がトップに表示されている。
なぜこれが問題なのかというと、
その記事の最後には、転職サイトの広告に誘導するものでした。
つまり、「死にたい」というキーワードで検索すると、
上位に表示されるようにページが作られていたのです。
『WELQ』問題を分析したのが、以下の方々です。
医療に詳しいライターの「朽木誠一郎」氏
SEOの専門家である「辻正浩」氏
ITコンサルタントの「永江一石」氏
など
さらに問題がある記事やサイトが、次々と発覚されました。
問題になった医療系サイト『WELQ』をはじめ、
女性向けサイト『MERY』など、
DeNAのまとめサイトすべてを休止することになった。
他社サイトへの影響
他社のサイトでも、問題がある記事やサイトが見つかり、
各社が対応に追われている。
◆リクルートホールディングス➡「アニプラ」など4サイトを非公開
◆サイバーエージェント➡情報サイト「Spotlight(スポットライト)」の公開停止
◆ヤフー➡女性向けファッションサイト「TRILL(トリル)」で記事削除
◆KDDI子会社➡運営する「nanapi(ナナピ)」を非公開
これらのまとめサイトの問題は、以前から指摘されていました。
まとめサイトの問題点
不正確な内容やでたらめな記事掲載
牛丼チェーン店や中華料理チェーン店のブランド名を使って、
「〇〇〇(ブランド名)アレルギー」
をタイトルに付けた記事が、複数見つかっています。
これは食品アレルギーに関する記事であるのですが、
有名チェーン店のメニューを『無理やり』結びつけたものでした。
有名チェーン店の名前をタイトルに入れることで、
検索キーワードからのアクセス(閲覧数)を増やすことが目的です。
著作権を侵害する記事内容や写真の転用・盗用
医師のブログ内容をコピペして利用していたり、
内容を改変した記事を掲載していました。
また他のサイトでも、他社の記事から写真や内容を、
勝手にコピーして使っていたことが、判明しています。
DeNA側がライターに渡しているマニュアルでは、
「他社のサイトを参考にするように」と書かれていました。
更には、同じ文章にならないように、
語尾などを変えることを推奨していました。
クラウドソーシングで記事の大量生産
ネット上で仕事を仲介するサービス「クラウドソーシング」で、
「知識のない人でもできる仕事です」として、
専門外のライターに記事を書かせていました。
その原稿料は異常なほど安く、原稿執筆というより、
コピペによるまとめ作業に近いです。
記事を大量生産する工場のようであり、
ライターにとっては内職のような作業でした。
「プラットフォーム提供」で責任逃れ?
まとめサイト運営企業の、ほとんどは「プラットフォーム事業」として、
サイトのシステムを提供すると称している。
つまり、記事はライターが投稿しているもので、
企業に責任なないというのです。
DeNAでは、ライターを雇って記事を書かせています。
これは、明らかに会社側の指示で、記事を作っているわけです。
検索結果の信頼性は?
今回発覚したDeNA問題の背景には、
【広告至上主義】、【検索サイトの上位表示テクニック】の問題があります。
SEOだけを重視した上位表示戦略
Googleをはじめとする検索サイトでの表示位置が、
広告収入に直結するのです。
最近では、特にスマホによる検索利用が多く、
そのため、表示画面が小さいこともあって、
検索キーワードで上位に表示されるかで、
広告収入が大きく変わってくるのです。
そのため個人も企業も、SEOというテクニックを使っています。
これは、「検索されやすいキーワードをタイトルや見出しに入れる」、
「記事を長くする」、「参照リンクを張り巡らせる」
などのテクニックが知られています。
『WELQ』の記事については、この「SEO対策のテクニック」が優先されており、
肝心の記事内容については、二の次になっていたようです。
広告自動配信を狙う
ネット広告の多くは検索キーワードやサイトの内容で、
自動的に広告が配信されています。
医療系のサイトでは、
クリニックや薬品会社、エステ、健康食品などの広告が表示されます。
これらの広告は、他のジャンルに比べて単価が高いため、
医療系の記事やサイトを『量産する』ことで収入が大きく伸びるのです。
医療系サイト『WELQ』では、
なんと1日に100記事以上をアップしていたそうです。
狙いは、単価の高い広告で稼ぐためであり、
内容をチェックせず、記事を大量生産していました。
著作権を無視?
今回の問題発覚で、運営企業側も、ライターも、
『著作権の意識』がなかったのでしょうか。
他の記事の転用・盗用をしたり、写真を勝手に使ったり・・・。
これは、この問題だけに限らず、
他のサイトやブログにも当てはまるのではないでしょうか。
情報社会である今だからこそ、著作権をチェックし、
内容に問題がないか確認すべきだと思います。
さいごに
「アクセス数を重視したタイトルを付けていないか?」
「記事内容が正確か?」
個人も企業も、今回の問題を顧みて、チェックすべきです。
残念ですが、私たちユーザーは、
『検索サイトの表示結果』は、信用できないものであると認識すべきです。
なぜなら、現状の検索サイトは、
『テクニック』だけで上位表示できてしまうからです。
検索サイトでの検索表示位置よりも、
サイト全体の信頼度で情報を探すことをオススメします。
【参考記事】
YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/science/goshinjyutsu/20161212-OYT8T50096.html
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