さて、詐欺の手口に学ぶ人間関係を築く心理学も【第二章】に入ります。
この章では、「思わず買っちゃう!?」、そんな心理に誘導される、
詐欺にも使われるテクニックについてお話ししていきます。
しっかり学べば、あなたは詐欺師に騙される危険を回避できるでしょう。
今回は「二者択一」を迫られた際の、
心理的な誘導テクニックについて、解説します。
心理的誘導とは?
例えば、あなたがちょっとお洒落なレストランに行ったとします。
席に着いて、「ワインは赤と白がありますが、どちらがよろしいですか?」
と、ウエイターに聞かれました。
とっさに「白、お願いします」と答えてしまいました。
ワインは、セットメニューでもなければ、
自分が飲みたかったわけでもないことに気付きます。
ただ「いらない」という選択肢がなかったからです。
このように、「飲む」という前提条件に基づいて、
「赤か白か?」という条件を提示されたら、
それ以外の選択肢を選ぶことが困難になるのです。
従って、2つの選択肢から選ぶように誘導されてしまうのです。
二者択一には要注意!
先程の例のように、
あらかじめ方向性が決まっているかのような前提で、
相手に思い込ませてしまうことを『誤前提暗示』といいます。
つまり、先程の例で「ワインはいかがですか?」と聞かれたら、
あなたは「いや、結構です」と、答えられたことでしょう。
次のような実験があります。
針が10時を指している時計の絵を見せます。
その絵を隠し、「時計は何時を指していましたか?」と質問すると、
正解率は非常に高い結果となります。
しかし「時計は10時でしたか?2時でしたか?」と質問すると、
正解率が落ちてしまいました。
更に、「9時でしたか?3時でしたか?」と質問すると、
ほとんどの人がどちらかを選んでしまう結果が出たのです。
自分の記憶を捻じ曲げてでも、選択肢から選ぼうとする、
なんと不思議な心理が働いてしまうのです。
さいごに
あなたもこのような経験をしたことありますか?
「誤前提暗示」にひっかかってしまうことは、少なくありません。
もし「二者択一」を迫られた場合、
相手が他の選択肢を隠しているのではないかと、
疑ってみることが必要ではないでしょうか。
次回は、「客寄せ」に隠された魔の手について解説します。
参考文献
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